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研究
急性くも膜下出血患者における虚血性心筋障害の出現について—52症例の検討
著者: 松村一1 祝井文治2 市来奇潔3
所属機関: 1国立東京第二病院救命救急センター(東京医科大学形成外科) 2国立東京第二病院心臓血管外科 3国立東京第二病院救命救急センター
ページ範囲:P.349 - P.357
文献購入ページに移動1947年Byerら1)の報告以来,くも膜下出血(以下SAH)急性期における虚血性心電図(以下ECG)変化について多くの報告が見られる.最近ではECGの一過性の変化のみではなく,実際に心筋が障害され心機能低下が起こっているとの報告もなされている.破裂脳動脈瘤患者に対して急性期手術が行われるようになった現在,SAHの際に心筋障害による心機能低下が出現することは治療上重要な問題を含んでいる.
そこで今回われわれは,頭部CTでSAHと診断された症例において,虚血性ECG変化の出現の頻度,実際の虚血性心筋障害の有無・頻度,虚血性ECG変化と重症度(Japan Coma Scale,以下J.C.S.)・転帰との関係について検討を行った.さらにSAHの際に出現するいわゆる神経原性肺水腫(neurogenic pulmonary edema,以下NPE)と急性期の循環動態との関係について検討し,若干の知見を得たので報告する.
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