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症例
Tolosa-Hunt症候群が疑われたFungal Aneurysmの1例
著者: 清水俊夫1 鈴木直也1 乙供通則2
所属機関: 1弘前大学脳神経外科 2青森労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.477 - P.483
文献購入ページに移動Tolosa-Hunt syndrome(以下,THS)は,一側性,反復性の眼筋麻痺と眼窩深部の疼痛を症状とし,その本態は海綿静脈洞から上眼窩裂にかけての非特異的炎症性肉芽腫によるものとされ,ステロイドが有効であると言われている11).
今回われわれは,THS様症状を呈した患者にステロイドを投与したところ,一部症状の改善を認めたが,突然脳内出血を来した症例を経験した.手術並びに剖検の結果,THS様症状は海綿静脈洞部の真菌性膿瘍に起因し,脳内出血は真菌性脳動脈瘤の破裂によることが判明した.
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