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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科19巻6号

1991年06月発行

文献概要

総説

難治性めまいの原因としての第8脳神経への血管圧迫とその治療について

著者: 榊寿右1

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.501 - P.510

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I.はじめに
 めまいは最もありふれた愁訴の一つであるが,保存的治療に抵抗し,反復性の強いものは患者に計り知れない苦痛を与え,社会生活を営む上で大きな障害となる.このような症例の中に前庭神経に対するneurovascuclarcross-compressionによって生じているものがある17,19,27,32).しかし三叉神経痛や顔面けいれんに比べ,多数例による詳細な検討は少なく,検査所見,手術適応に関しても明確な回答のないのが実状であろう.その理由の一つにめまいの訴えの内容が曖昧で,「目が回る」とか「ふらふらする」などいろいろな自覚症状を患者は一様に“めまい”と表現する.また患者の訴える“めまい”を他覚的にとらえる事が困難であるなどが挙げられるであろう.ここではまずめまいの一般的概念について述べ,現在まで“めまい”に対してneurovascuclar cross-compressionの概念から手術された報告と自験例の検討から,micro—vascular decompressionの有効な症例の臨床的特異性とその手術適応について論じることとしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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