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総説
難治性めまいの原因としての第8脳神経への血管圧迫とその治療について
著者: 榊寿右1
所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.501 - P.510
文献購入ページに移動I.はじめに
めまいは最もありふれた愁訴の一つであるが,保存的治療に抵抗し,反復性の強いものは患者に計り知れない苦痛を与え,社会生活を営む上で大きな障害となる.このような症例の中に前庭神経に対するneurovascuclarcross-compressionによって生じているものがある17,19,27,32).しかし三叉神経痛や顔面けいれんに比べ,多数例による詳細な検討は少なく,検査所見,手術適応に関しても明確な回答のないのが実状であろう.その理由の一つにめまいの訴えの内容が曖昧で,「目が回る」とか「ふらふらする」などいろいろな自覚症状を患者は一様に“めまい”と表現する.また患者の訴える“めまい”を他覚的にとらえる事が困難であるなどが挙げられるであろう.ここではまずめまいの一般的概念について述べ,現在まで“めまい”に対してneurovascuclar cross-compressionの概念から手術された報告と自験例の検討から,micro—vascular decompressionの有効な症例の臨床的特異性とその手術適応について論じることとしたい.
めまいは最もありふれた愁訴の一つであるが,保存的治療に抵抗し,反復性の強いものは患者に計り知れない苦痛を与え,社会生活を営む上で大きな障害となる.このような症例の中に前庭神経に対するneurovascuclarcross-compressionによって生じているものがある17,19,27,32).しかし三叉神経痛や顔面けいれんに比べ,多数例による詳細な検討は少なく,検査所見,手術適応に関しても明確な回答のないのが実状であろう.その理由の一つにめまいの訴えの内容が曖昧で,「目が回る」とか「ふらふらする」などいろいろな自覚症状を患者は一様に“めまい”と表現する.また患者の訴える“めまい”を他覚的にとらえる事が困難であるなどが挙げられるであろう.ここではまずめまいの一般的概念について述べ,現在まで“めまい”に対してneurovascuclar cross-compressionの概念から手術された報告と自験例の検討から,micro—vascular decompressionの有効な症例の臨床的特異性とその手術適応について論じることとしたい.
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