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研究
体内薬物動態を基にした頭蓋内圧亢進時のマンニトールの至適投与方法
著者: 田中昌代1 吉山友二1 小林輝明1 朝長文弥1 近藤留美子2 高木宏2 大和田隆2
所属機関: 1北里大学薬学部 2北里大学脳神経外科救命救急医学
ページ範囲:P.619 - P.624
文献購入ページに移動頭蓋内圧亢進時に使用されるマンニトールは,その頭蓋内圧下降作用により,広く臨床に使用されている.しかしながら,数10年来の臨床使用にも拘わらず,その頭蓋内圧下降の作用機序10,12),最も有効な投与量,投与方法2,6-9,12)については未だ論議が残っている.この原因は,マンニトール投与後の,体内薬物動態とそれに伴う血漿浸透圧,電解質,そして頭蓋内圧との関係が明らかでない点にあると考えられる1).今回,われわれは,成猫で中程度の頭蓋内圧亢進状態を作成し,マンニトールの体内薬物動態を,2—compartment modelにて解析した.同時に,血漿浸透圧,電解質を測定し,経時的に変化する頭蓋内圧との関係を検索して,臨床に於けるマンニトールの至適投与方法について考察したので報告する.
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