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症例
巨大基底核部脳動静脈奇形の1治療例
著者: 角谷千登士1 後藤勝彌2 塚本良樹3 撫中正博1 横田晃1
所属機関: 1産業医科大学脳神経外科 2飯塚病院脳血管内外科 3産業医科大学放射線科
ページ範囲:P.681 - P.687
文献購入ページに移動大脳基底核部の動静脈奇形(arteriovenous Malforma—tion以下AVMと略す)は,若年者で症状を有しているものは予後が悪く,保存的に治療すると,その50%以上が死亡,あるいは後遺症を残すといわれている15).従って外科的治療が大脳基底核部AVMに対しても望まれるわけであるが,解剖学的位置関係からこの部のAVMの直達手術は,極めて困難とされてきた.しかし,近年の血管内手術手技の進歩と相俟って今まで直達手術が困難とされていた症例に対しても,積極的な外科手術が試みられ手術成績そのものも向上してきている.
今回,われわれは左基底核部high flow,巨大AVMに対し,超選択的塞栓術後,直達手術を行い,術後著明な神経症状の改善をみた1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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