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脳神経外科雑感
著者: 榊寿右1
所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.703 - P.704
文献購入ページに移動私は今,“脳神経外科医の信念は何か”と問われれば,患者の生命に対して最後まで諦めてはならぬことだと答えている.そして自分のした行為に対しては,徹底して自分が責任をもつ姿勢が大切だと考えている.術後の患者の容態が悪化した場合,その原因が何であろうとも必死になって改善させるように努力せねばならぬ.その患者は,発病前は元気で仕事をしていたのであるから,術後に胃潰瘍が生じようとも,肝障害が起ころうとも,脳とは関係なしで済まされる問題ではない.理屈を抜きにして一度は発病前の元気な姿にもどしてやろうと考えるのが外科医というものであろう.手術をすればかなりのtechniqueは持っているが,術後は全く他人まかせでは手術をする資格はない.
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