文献詳細
文献概要
研究
頭蓋内局所投与におけるt-PA溶液のpH並びに浸透圧に関する検討
著者: 蛯名国彦1 清水俊夫1 善積威1 岩渕隆1
所属機関: 1弘前大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.817 - P.823
文献購入ページに移動近年.第二世代のfibrinolytic agentともいうべき,tissue-piasminogen activator(以下t-PA)が開発され,心筋梗塞14)や脳梗塞1)などに応用されつつある.また従来の血栓溶解剤urokinase2,13,22)に比してきわめて強力な血腫溶解能力を有することから4),クモ膜下出血に於ける脳槽ドレナージ4-7,17)や,定位的脳内血腫除去術に際しての残存血腫溶解4,10,13),さらには脳主幹動脈閉塞における動注療法3,11,23)などにもその応用が期待されている.しかしながら,これらt-PAの頭蓋内局所投与においては,その特性を十分に把握した上で用いるべきと思われるが,t-PA溶液のpH並びに浸透圧についての知見は未だ乏しく,かつ臨床応用における重要な問題の一つになり得ると思われたので報告する.
掲載誌情報