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脳神経外科の担手
著者: 岩淵隆1
所属機関: 1弘前大学脳神経外科
ページ範囲:P.5 - P.6
文献購入ページに移動 我国脳神経外科の開拓者の一人でもある或大御所が,一般向けに話された中で,「私が日本に帰って脳の手術を始めた頃は,患者さんが不幸な結果に終っても,非難めいたことを聞かされることはなかったが,その後,脳外科も非常に安全になって,手術で患者さんを失う様なことは殆どなくなった最近は,却って稀に結果が思わしくないと誰かが文句を云いに来る.」という様な意味のことを云って居られたのを聞いたのは,多分今から24,5年も前のことであったろう.うっかりしていれば聞き逃がしそうな淡々とした口調の中に多くの感慨が込められて居たであろうし,色々の意味にも受取れて非常に味深い.
この様な事は,各分野に共通する事かも知れず,又聞く側の感受性にもよることであろうが,その時は脳神経外科の強烈な印象と憧憬の様なものを感じ,その後の筆者の進路に可成り決定的な影響を与えたものであった.進歩に向って精進努力して効果が上がる程,報われ方が厳しくなって来る現実の側面を云い得て妙である.
この様な事は,各分野に共通する事かも知れず,又聞く側の感受性にもよることであろうが,その時は脳神経外科の強烈な印象と憧憬の様なものを感じ,その後の筆者の進路に可成り決定的な影響を与えたものであった.進歩に向って精進努力して効果が上がる程,報われ方が厳しくなって来る現実の側面を云い得て妙である.
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