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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻1号

1974年01月発行

文献概要

手術手技

ParasagittalおよびFalx Meningiomaの手術

著者: 西本詮1

所属機関: 1岡山大学脳神経外科

ページ範囲:P.17 - P.22

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Ⅰ.はじめに
 Parasagittalないしfalx meningiomaの摘出手術上,術前によく確かめておかねばならない点としては,1)腫瘍はしばしば正中線をこえて反対側に及んでいることがあり,片側性であるか両側性であるかを鑑別すべきことと,2)上矢状洞が腫瘍によって閉塞されているか否かという点である.腫瘍が上矢状洞の前1/3に発生している場合には上矢状洞と共に摘出してよいが,中および後1/3に発生し,上矢状洞が開存している場合には,これを傷つけることは極力避けねばならぬからである.
 手術方針としてはmeningioma附着部の硬膜を含めて全摘出を行なうべきであり,術中の出血を最少限にとどめ,脳組織の傷害をできるだけ避け,上矢状洞を能うかぎり温存し,しかも再発をきたさないようにするわけであるが,そのため各人各様の工夫があり,一定の術式というものはないようである.したがって私の行なっている方法を中心に手術の順を追って,それらの点にふれてみたいと思う.Parasagittal meningiomaは上矢状洞中1/3に発生する場合が比較的多いので,片側性のそれについて主としてのべ,falx meningiomaについてはそのあと多少ふれてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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