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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻10号

1974年10月発行

文献概要

手術手技

眼窩内腫瘍の手術

著者: 桑原武夫1

所属機関: 1横浜市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.663 - P.668

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Ⅰ.はじめに
 眼窩腫瘍剔出のアプローチは,おおよそ次の3つに分けられる。すなわち,anterior approach,lateral approach(Krohnlein法)およびtransfrontal approachである.anterior approachは腫瘍が眼窩の前方にあるとき,すなわち,眼球と眼窩縁の間に腫瘍を十分に触れうる時は,多くはこの到達法で可能である.このアプローチは眼科医あるいは耳鼻科医によって行なわれることが多い.Krohnlein法は腫瘍が眼球後方にある場合で,もっぱら眼科医によって行なわれている.このアプローチは手術野は狭く,腫瘍が大きい場合には完全剔出は困難であろう.試験切除のためには適している.眼球後方の腫瘍とくに視神経管の近くまで達している時は,transfrontal approachでなければ到底その完全剔出は望めない.このアプローチはもっぱら脳神経外科医により行なわれる.
 しからば,transfrontal approachによれば,眼球後方の腫瘍はいかなるものも確実に別出しうるかといえば,必ずしもそうではない.腫瘍がかなり大なるとき,腫瘍が眼筋より深く存在するとき,あるいは眼窩の下壁に近く存在するときなどは,もっと手術野を拡げた方が,眼筋やこれを支配している神経を損傷しないで確実,せんさいな手術が可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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