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研究
Craniopharyngiomaに対するBleomycin局所投与法の研究—Craniopharyngioma培養細胞によるBleomycinの効果及びBioassayによる腫瘍嚢胞内濃度について
著者: 久保長生1 高倉公朋1 三木啓全1 沖野光彦2 喜多村孝一2
所属機関: 1国立がんセンター脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.683 - P.688
文献購入ページに移動Craniopharyngiomaに対する治療法は,一般の脳腫瘍と同じく,手術による摘出が最適であるが,良性腫瘍でありながら,その予後は必ずしもよくない.Matsonら1)は初回の手術に全摘出可能なものはその予後もよいが,亜全摘出の場合,再発,症状増悪をしばしば経験すると述べている,Hoff2)はこの亜全摘出症例に対して放射線照射を加えることが最良と述べている.私達はcraniopharyngiomaの腫瘍特異性として,(1)大部分に腫瘍内嚢胞形成がみられること,(2)上皮性腫瘍であるという2点を考慮に入れ,1962年梅沢ら3)により発見され,市川らによりはじめて扁平上皮癌に対する著効が認められたBleomycinを本腫瘍の治療に用いた.
基礎的研究としてcraniopharyngiomaの組織培養を試み,培養細胞を用いてBleomycinによる細胞変性効果をとらえた.
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