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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻10号

1974年10月発行

文献概要

研究

視神経・視交叉部膠腫の電顕的観察—特にdesmoplastic reactionについて

著者: 副島徹1 朝長正道2 北村勝俊1

所属機関: 1九州大学脳神経外科 2福岡大学脳神経外科

ページ範囲:P.689 - P.697

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Ⅰ.緒言
 視神経および視交叉部に発生する神経膠腫は,比較的まれな腫瘍ではあるが,主として小児に発生し,部分摘出のみでも術後の生存期間が長いことにより広く知られている.しかし,この腫瘍の細胞由来については,古くから議論され,ほぼ同じ組織像を呈する腫瘍をSpongioblastoma3,12,33,38),(pilocytic) astrocytoma5,24),あるいはoligodendroglioina16)などと1呼び,混乱をまねきやすい腫瘍の1つでもある,また,この腫瘍は,時に周囲結合組織被膜に浸潤し,間葉系成分の著明な反応性増殖を起こすことがある.この場合,組織学的には腫瘍細胞は索状,あるいは渦状に配列し,各腫瘍細胞群間には膠原線維や細網線維などの結合組織成分が豊富に分布し,一見,間葉系細胞由来の腫瘍を思わせる像を呈する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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