文献詳細
文献概要
総説
高血圧性脳出血の手術適応
著者: 水上公宏1
所属機関: 1脳血管研究所美原記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.725 - P.733
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
高血圧性脳出血に対して外科的治療を行うか否かは,現在脳神経外科医の間にも意見の一致をみていない.ことに1961年McKissockら14,15)が本症の外科的治療に悲観的な見解を示して以来,この問題は脳神経外科領域において閑却されてきた傾きがある.しかし,内科的保存療法に限界のみられる現時点18)では,外科的治療の合理性を証明することによって新しい治療法を開拓する必要があろう.ことに本邦においては,本症で死亡するものは年間約9万人にもおよぶという.したがって,われわれ日本の脳神経外科医が積極的に本症にとり組む時期に達しているものと思われる.
筆者らも1966年以来本症に対し多角的な検討を行い,その病態の正確な把握に努めてきた.研究成果の十分でなかった初期においては,本症の手術成績は必ずしも良好とはいえなかった.しかし,その後本症の病態がしだいに明らかになるにつれ,その手術成績も格段の向上をみるに至った22).
高血圧性脳出血に対して外科的治療を行うか否かは,現在脳神経外科医の間にも意見の一致をみていない.ことに1961年McKissockら14,15)が本症の外科的治療に悲観的な見解を示して以来,この問題は脳神経外科領域において閑却されてきた傾きがある.しかし,内科的保存療法に限界のみられる現時点18)では,外科的治療の合理性を証明することによって新しい治療法を開拓する必要があろう.ことに本邦においては,本症で死亡するものは年間約9万人にもおよぶという.したがって,われわれ日本の脳神経外科医が積極的に本症にとり組む時期に達しているものと思われる.
筆者らも1966年以来本症に対し多角的な検討を行い,その病態の正確な把握に努めてきた.研究成果の十分でなかった初期においては,本症の手術成績は必ずしも良好とはいえなかった.しかし,その後本症の病態がしだいに明らかになるにつれ,その手術成績も格段の向上をみるに至った22).
掲載誌情報