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研究
脳シンチグラムにおけるDoughnut signの検討
著者: 鎌田健一1 原野秀之1 堀純直1 篠原利男1 外山香澄1 中山耕作1 根本弘之1 中道五郎2 岩崎尚弥2 坂本真次2
所属機関: 1聖隷浜松病院脳神経外科 2聖隷浜松病院放射線科
ページ範囲:P.757 - P.762
文献購入ページに移動ラジオアイソトープ(以下RIと略す)によるシンチグラフィは器械の改良や短半減期核種の開発などにより,最近では脳血管写,気脳写で診断し得ない場合にも有力な検査法としてクローズアップされてきた.脳シンチグラム上のhot lesionの特殊な型として中心部がcoldないわゆるドーナツ型を示す例がある.この所見は1968年Gottschalkら1)により"Doughnut sign"として提唱されたが,現在まで文献上の報告例は彼らの8例,その後O'Maraら2)による7例,本邦における半田ら3)の7例,及びHallowayら4)による2例と比較的少ない.
昭和44年4月から48年8月まで過去4年間に各種脳疾患に対して,われわれは430例の脳シンチグラフィをおこない,21例にDoughnut signを認め,手術又は剖検所見とほぼ一致する結果が得られた.以下に主な症例についてDoughnut signと手術又は剖検所見との対比を試み,Doughnut sign現出の意義とスキャン技術などによる現出能の差について著干の考察をおこなった.
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