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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻11号

1974年12月発行

文献概要

海外だより

Yasargil教授の近況

著者: 佐藤修1

所属機関: 1関東逓信病院脳神経外科

ページ範囲:P.779 - P.781

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 日本の皆様お変りありませんでしょうか.私はこの4月からZurichのYasargil教授のもとで,microsurgeryの勉強をさせていただいていますが,教授と数か月間,親しく接し,教授が大の親日家であることをあらためて確認し,また,極めて人情味に溢れる性格の持主であることを知りました.私が日本に居りました時にいろいろ噂に聞き,また吹き込まれた教授の人がらについて,日本ではかなり誤解があるように思いますので,ここに私が身近に接して感じた教授の人がらについて御紹介し,合わせて教授についての最新の情報を御報告したいと思います.
 Yasargil教授はこの4月で50歳になられたということですが,実に精力的に手術をされております.こちらの病院は週休2日制で,月曜日から金曜日まで毎日,手術があります.金曜日は朝7時半から教授回診がありますので手術は9時から始まりますが,その他の日は,朝8時から手術が始まります.教授も7時半すぎには早くも手術室に顔を出され世界各国からの見学者(Gast)に,その日の手術例のレントゲン写真を供覧し,解説をされます.そして,自分の手術する患者については,麻酔がかかってから自から卒先して抱きかかえ,手術台に移し,頭位の固定,散髪,時には剃毛まですべて自分でやられます.やはり,自分の手術に絶対責任を持つという考え方に徹しておられるのでしょうか,実に頭の下る思いがします.こちらの手術室は脳神経外科専用で,看護婦,麻酔医もすべて専属です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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