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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻3号

1974年03月発行

文献概要

境界領域

メラトニン

著者: 平田扶桑生1

所属機関: 1京都大学医化学教室

ページ範囲:P.207 - P.212

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 松果体は灰白色の10mmたらずの松の実の形に似た重さ120-200mgの器官で,柄を有し,第3脳室後壁に付着している.松果体は形態学的に網膜細胞に類似する実質細胞を有し,電顕を用いて精査すると内分泌器官特に下垂体に類似する微細構造を有する.思春期を過ぎると松果体には石灰化が始まり,その頻度は70%を超える.脳外科領域ではX線による脳腫瘍その他の発見に松果体の石灰像の位置が役立っ事がある.松果体の石灰沈着は病的であると言えないが,しばしば経験される疾患として嚢腫,腫瘍等がある.この場合,松果体切除を成人で行っても,生命,妊娠,分娩等に悪影響を及ぼす事はない.従って,松果体は胸腺と同様長い間その機能は不明であった.最近,生体防禦の面で胸腺の機能が明らかとされてきたが,松果体については未だ不明の点が多い.現在明らかにされている松果体の機能について記述すると共に,松果体ホルモンと目されるメラトニンについて簡単に紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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