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研究
放射線壊死の病理学的研究—剖検例に基づく脳腫瘍の完全壊死像の解析
著者: 中村仁志夫1 小川宏1 熊西敏郎1 生田房弘1 植木幸明2
所属機関: 1新潟大学脳研神経病理 2新潟大学脳研悩神経外科
ページ範囲:P.213 - P.220
文献購入ページに移動すでに1920年代から,脳腫瘍なかでもgliomaに対する放射線治療は行なわれてきた31).それに伴う腫瘍および脳組織のいわゆるradiation necrosisの剖検例に基づく報告はO'Connell(1937)4例29),Wachowski(1945)2例37),Pennybecker & Russell(1948)2例32),Zeman(1949)4例38),Eicke(1952)1例10),Lampert(1964)1例22)などがある.また,頭部皮膚疾患や顔面頭蓋の悪性腫瘍あるいは下乖体疾患などに対する放射線治療に伴う「脳組織」のradiation necrosisについても,諸外国では古くから報告がある4,6,8,9,11,19,22,24,25,27,32).
他方,放射線治療は本邦でも脳腫瘍の非手術的療法の一環として広く行なわれてきているにも拘らず,頭蓋内組織におけるradiation necrosisの報告は少なく15,34-36),とくにgliomaの剖検例に基づく報告を見出し得ない.
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