icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻4号

1974年04月発行

文献概要

研究

Microangiography法による実験的脳阻血に関する研究—脳微細血管の経時的変化について

著者: 佐々木潮1 石川進1 島健1

所属機関: 1広島大学第2外科

ページ範囲:P.297 - P.303

文献購入ページに移動
I.はじめに
 脳主幹動脈が閉塞すると,その支配領域の脳には早期から不可逆性の阻血性変化が起り得る.これは主として脳細胞が酸素不足に対して極めて敏感であることによるが,一方脳主幹動脈の閉塞後早期から見られる微細循環の障害も,病変の発生上重要な因子となっている2,3,4,7,11,12).さらにこれに関連してcollateral circulationの良否が,阻血性病変の発生,その部位,程度および大きさを左右すると共に,阻血性病変の修復過程に際してもまた重要な役目を帯びている7,11,13).このcollateral circulationを含めて,脳主幹動脈の閉塞によって起こる微細血管の経時的な変化を知ることは,脳阻血の治療,特に血管吻合を中心とする脳外科的治療の基礎的研究として重要な意味をもつものと考えられる.
 この研究では雑種成犬の中大脳動脈を中心とする頭蓋内の脳主幹動脈並びに副血行路の恒久的な閉塞を,種々の方法で行なうことにより,脳阻血の程度を異にする3群を作成し,神経症状を観察すると共にmicroangiographyを用いて深部微細血管の変化を経時的に観察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら