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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻5号

1974年05月発行

文献概要

研究

脳神経外科領域における副腎皮質ホルモンの術前・術後大量投与—特にその効果と意義について

著者: 太田富雄1 西村周郎1 白馬明1 黒川賢1

所属機関: 1大阪市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.395 - P.401

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 脳神経外科領域において,副腎皮質ホルモン(以下Csと略す)が使用されるようになってから,すでに20余年になる.その使用目的は,①下垂体腺腫,頭蓋咽頭腫など下垂体副腎皮質系の機能不全のある例における手術的治療にさいしてのショックの予防,ならびに術後のreplacement therapyおよび②脳浮腫の治療および予防である.ショックの予防ならびにreplacement therapyを目的としてのCsの使用については,その有用性に関し異論をみない.
 しかし,抗脳浮腫作用を期待してCsを使用する場合には,使用方法に一定の方式はなく,用量についても非常に少最を用ちうるものから大量を投与するものまで種々様々である.このように,本剤の使用方法が全くまちまちであるのは,何といってもCs使用による重篤な副作用,特に致命的な消化管出血発生の恐れがあるのが,その大きな原因であると思われるが,抗脳浮腫作用そのものについては,疑問をもつものはない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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