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症例
後頭蓋窩硬膜外血腫の3治験例
著者: 忍頂寺紀彰1 植村研一1 河野守正1 山浦晶1 渡辺義郎1 牧野博安1
所属機関: 1千葉大学脳神経外科
ページ範囲:P.421 - P.426
文献購入ページに移動後頭蓋窩硬膜外血腫は,1901年Wharton42)が初めて記載した.1938年Mckenzie25)は3臨床報告をなし,この種の硬膜外血腫が存在し,且つ独立疾患となりうることを示唆した.これを独立疾患として記載し,手術的に救命したのは,1941年Coleman & Thompson6)であり,この1救命例の臨床像を次のごとく記録した.すなわち「後頭部の打撲と骨折,進行性の意識障害,漸次増強する頭痛,患側を下に向けるforced Position,項部強直,眼振,筋緊張低下,小脳症状」を呈したと述べている.
この記録は克明な観察であり,今もって修正,附加の要のないものと思われる.この疾患について欧米では相当数の報告がなされているが1-4,7-13,15,18-20,24,27,28,32-34,37,38,43),本邦では少ない.われわれは現在までに3治験例を経験したので,多少の文献的考察を加え報告する.
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