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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻6号

1974年06月発行

文献概要

手術手技

小脳・第4脳室腫瘍

著者: 喜多村孝一1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科

ページ範囲:P.451 - P.456

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 小脳・第4脳室の腫瘍は,多いものからあげると,髄芽腫medulloblastoma,星細胞腫astrocytoma,血管芽腫hemangioblastoma,脳室上衣腫ependymoma,脈絡叢乳頭腫plexus papilloma,その他の順になる(Fig.1).手術はいずれも後頭下開頭術によるので大綱は同じような術式になるが,悪性で浸潤性の腫瘍と限局性の良性腫瘍とでは手術方針がおのずと違ってくる.髄芽腫は悪性腫瘍の代表的なものであり,血管芽腫,乳頭腫は良性腫瘍の代表であり,小脳の星細胞腫も良性腫瘍に属するものである.本文ではこれらに対する手術を一括して述べる.
 さて,後頭蓋窩の腫瘍の手術の場合は大脳表層の腫瘍に立ち向うときのような気安さは許されない.なぜならば脳幹が直接・間接の影響をこうむりvital signの急変をおこしやすいからである.もちろん粗暴な手技はもっての他であるが,脳へら(spatula)の使い方一つにしてもテント上手術の場合と違った慎重さが要求される.また手術操作による脳幹の機能障害をそのごく初期に発見するために,術中は自発呼吸にしておく.当然補助呼吸によって十分な呼吸量を確保しなければならないが調節呼吸にしてはならない.自発呼吸の停止こそもっとも初期のalarmとなるからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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