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症例
先天性上矢状静脈洞閉塞症の1症例
著者: 岸川秀実1 小林清史1 六川二郎2
所属機関: 1岡山大学脳代謝神経科 2大阪大学脳神経外科
ページ範囲:P.493 - P.497
文献購入ページに移動頭蓋内静脈洞閉塞症は,1856年Lebert11)の報告以来,そのほとんどは剖検で確認された症例であったが,最近は脳血管写の普及により臨床的に本症と診断することが可能となってきた.しかし,現在まで脳血管写によって静脈洞の閉塞を確認した本邦での臨床報告はまれであり,加川ら6)の5例,西田ら14)の1例,景山ら7)の1例および今井ら3)の1例にすぎない.
われわれは最近,Lennox症候群を主症状とした2歳6カ月の女児で,頸動脈写により上矢状静脈洞の広汎な閉塞と思われる像を認めた症例を経験したので報告する.
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