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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科2巻7号

1974年08月発行

文献概要

手術手技

脊髄髄内腫瘍の手術

著者: 千ケ崎裕夫1

所属機関: 1順天堂大学脳神経外科

ページ範囲:P.521 - P.527

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Ⅰ.脊髄手術の特殊性
 脊髄疾患に対する手術手技としては,脳手術のときに脳組織病変の操作に使われる諸手術の応用にすぎず,特別のものはない.脊髄髄内腫瘍の直接手術として,ependymomaの摘出手術に成功した最初の人としてCushingの名があげられるのも,彼の開発した綿密,ていねいな脳外科の手術手技が脊髄の手術においても,必要,有益であったというよい証であろう.
 しかし脊髄は脳組織以上に直接侵襲を加える際に特に慎重を期さなければいけない.比較的神経的無症状野が残され,切除の際余裕のある脳組織と違って脊髄は狭い領域の中に重要な神経核および神経系路が密集し,わずかばかりの外科的侵襲に対して重篤な欠損症状を示しやすく,また血流分布が比較的単純な血管系に支配されているので,たとえ小血管といえども,動脈系はもちろん,静脈系も不注意な傷害が加わると,広汎囲な循環障害が脊髄組織におこり,術後予期せぬ神経症状の悪化をもたらすことはときどき経験することである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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