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研究
Carotid-Ophthalmic Aneurysm—5例からの検討
著者: 榊寿右1 菊池晴彦1 古瀨清次1 川合省三1 唐沢淳1 真鍋武聰1 内田泰史1 北村純司1
所属機関: 1北野病院脳神経外科
ページ範囲:P.553 - P.558
文献購入ページに移動内頸動脈眼動脈分岐部に発生する脳動脈瘤は,比較的少なく,Locksleyらのcooperative study4)での記載をみると,脳動脈瘤2,672例中,143例5.4%である.またこの動脈瘤は,その解剖学的位置が,他の脳動脈瘤に比して,視神経,海綿静脈洞,内頸動脈,前床突起と密接な関係にあり,そのため手術が困難なことが多く,諸家の報告をみても,特に直達手術の成績は,決して良いとはいえない.我々は,1971年9月より,脳動脈瘤手術の際,顕微鏡下に,microsurgical techniqueを用いているが,1973年5月まで,54例の脳動脈瘤を経験した.そのうち,内頸動脈眼動脈分岐部動脈瘤は5例であり,4例に直達手術を行い,いずれも神経学的欠損なく,治癒せしめた.
内頸動脈眠動脈分岐部動脈瘤に対する我々の手術法は,もちろん各症例によって,多少の点で全て異なっているが,大きく分けて,3つの型に分つことができる.そこで,5症例のうち,それぞれの型の3症例を示し,またこの動脈瘤についての臨床症状,診断,手術法,予後等について考察する.
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