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症例
線維化や血管腫像を主体とした小脳腫瘍—小脳腫瘍の終末的病像
著者: 武田文和1 田村勝1 八木久男1 深町彰1
所属機関: 1群馬大学脳神経外科
ページ範囲:P.559 - P.564
文献購入ページに移動脳に発生した腫瘍が2次的な組織学的変化を高度に生じた結果,その本来の病変の姿が被い隠されてしまうことがまれにある(Bailey & Ford2),Van Zandt Hawn & Ingraham0)).われわれが手術した小脳腫瘍例のなかに,出血,滲出,壊死,線維化などの腫瘍組織の2次的変化が高度に生じたものが2例あり,1例はsclerosing hemangiomaの像を呈した充実性腫瘍であり,他は器質化した凝血をmural noduleとしたcystic tumorであった.これらの症例の臨床所見を述べるとともに,その病理組織学的検索からこれら病変の成り立ちについて考察したい.
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