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研究
意識障害の新しい分類法試案—数量的表現(Ⅲ群3段階方式)の可能性について
著者: 太田富雄1 和賀志郎1 半田肇1 斎藤勇2 竹内一夫3 鈴木二郎4 高久晃4
所属機関: 1京都大学脳神経外科 2東京大学脳神経外科 3杏林大学脳神経外科 4東北大学脳神経外科
ページ範囲:P.623 - P.627
文献購入ページに移動脳神経外科領域で最も重要な症状の1つは"意識障害"である7).しかるに,従来の意識障害の分類は,言葉により数段階に分けられ,その言葉の定義も必ずしも一定していない.したがって,意識障害レベルを記載する場合,言葉による表現よりむしろ,患者の示す具体的な反応様式(たとえば,疼痛刺激に対する逃避運動)を各施設それぞれの基準に従って,そのまま記載しているのが現状である1).
関連領城の広い意識障害の問題を,画一的に取扱うことは極めて困難であり,多くの例外的事項が発生してくるであろうことは充分予想される.しかし,現在国際的にも各大学,病院に兵通する客観性のある意識障害の分類法がなく,症例の比較検討,および毎日の診療上非常に不便を感じていることも事実である,あえてこの難問題を取り上げ,意識障害レベルの数量的表現方法について検討した.
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