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研究
強度なクモ膜下出血による重症破裂脳動脈瘤の臨床経過
著者: 水野誠1 安井信之1 鈴木明文1 波出石弘1 中島重良1 三平剛志1 大槻浩之1
所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター脳神経外科
ページ範囲:P.21 - P.29
文献購入ページに移動重症破裂脳動脈瘤症例に対する治療は,急性期手術が一般化した今日であっても,手術適応および時期に関して一致した見解が得られていない.明らかな脳内出血や脳室内出血,硬膜下出血などmass signを示さず,純粋にクモ膜下出血のみで重症になっている症例(クモ膜下出血型)は,特に不明な点が多い.この点に関し著者らは前回,クモ膜下出血型における病態,手術適応,および手術法を検討し報告した10).しかし重症例を急性期に積極的に治療する場合は特に患者の正確な重症度把握が要求されるが,高率に起こるクモ膜下出血の再発作等により真の意識状態がマスクされやすい.即ち,破裂脳動脈瘤超急性期には再破裂等に伴って意識状態がしばしば変貌するために,重度の意識障害を呈していても出血発作から短時間の症例ではその後待機すれば意識が回復してくる症例もある.この様な症例と,待機しても意識の改善が得られない真の重症例を混同しているのでは,という問題点が残されている.今回著者らはこの点を明確にするために,特に急性期CT所見から真の重症度の把握が可能か,重症例の自然経過が予測可能か,を検討した.
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