文献詳細
文献概要
症例
脳肺吸虫症新鮮例のCT所見
著者: 李厚澤1 謝芳文2 孫守城1
所属機関: 1中国医科大学脳神経外科 2中国医科大学小児科
ページ範囲:P.91 - P.97
文献購入ページに移動食生活の変化と衛生状態の改善により,日本における脳肺吸虫症(Cerebral paragonimiasis)の発生はまれとなり,過去の疾患として忘れ去られつつある3,9,14,23).しかし国際交流が盛んになるにつれ,風土病あるいは地域特有の疾病が非汚染地域でも発生する可能性があり,また感染後20-30年経過した患者を診療することもあり,本疾患を鑑別診断の一つに入れておく必要がある14).
中華人民共和国・東北地方においても,脳肺吸虫症は激減してきたが,われわれは1984年6月から1986年5月までの2年間に,脳肺吸虫症の新鮮例4例をCTスキャンで検索する機会を得,うち3例に対して手術を行った.
新鮮例脳肺吸虫症のCT所見の報告は少ない9).われわれは宇高23),木下13)らが報告した陳旧性脳肺吸虫症のCT所見とわれわれが経験した新鮮例のそれとを比較し,その特徴につき検討した.
また,脳肺吸虫症の臨床分類—病理所見—CT所見の関係,他の脳寄生虫症のCT所見と比較検討したので報告する.
掲載誌情報