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研究
生検脳腫瘍・培養ラットグリオーマ細胞およびその薬剤耐性細胞におけるグルタチオン,グルタチオンS—トランスフェラーゼの定量
著者: 松本義人1 笹岡昇1 土田高宏1 藤原敬1 長尾省吾1
所属機関: 1香川医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1069 - P.1074
文献購入ページに移動グルタチオン(GSH)および,グルタチオンS—トランスフェラーゼ(GST)は薬物のグルタチオン抱合やステロイド,ビリルビンや発癌物質を結合する機能のほか有機過酸化物の還元,prostaglandin代謝への関与などさまざまな機能が知られている.また,GSH,GSTは数多くの抗癌剤耐性才幾構のひとつと考えられており,グルタチオン抱合,denitrosation,フリーラジカルのスカベンジングなどのいくつかの経路により細胞障害に対する防御の役割を担っている4).本論文では,手術時採取した脳腫瘍組織とラットglioma C6細胞およびそれの1—(4—amino−2—methyl−5—pyrimidinyl)methyl−3—(2—chloro—ethyl)−3—nitrosourea(ACNU),vincristine(VCR),cis—diammine-dichloroplatinum(II)(CDDP)に対する耐性細胞のGST総活性とそのサブクラスであるGST-p活性,およびGSH量を測定し,GST,GSHと脳腫瘍の悪性度,薬剤耐性との関係について検討した.
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