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症例
プロモクリプチン療法中髄液鼻漏と髄液耳漏を合併したプロラクチノーマの1治験例
著者: 中島拓1 田村哲郎1 黒木瑞雄1 田中隆一1 林浩子2
所属機関: 1新潟大学脳研究所脳神経外科 2新潟大学医学部放射線科
ページ範囲:P.1091 - P.1095
文献購入ページに移動下垂体腺腫の中でprolactinomaはbromocriptine(BC)投与により血中prolactin(PRL)濃度の低下と腫瘍の縮小が期待できることが知られている6,13,19,20).BC療法の合併症については種々の報告があるが,その一つとして髄液漏がある.これはprolactinomaがしばしば骨を含めた周辺組織の破壊を伴って発育するため,BC投与により腫瘍が縮小し,蝶形骨洞,乳突洞などに髄液の流出路が開き,髄液鼻漏や髄液耳漏が出現すると考えられている1,2)。しかしこれまでに髄液鼻漏1-3)と髄液耳漏4)についての報告は少数みられるだけであり,特に後者は極めて稀である.
最近われわれはBC療法中,髄液鼻漏と髄液耳漏が出現し,経蝶形骨洞手術と腰椎ドレナージにより治癒した巨大なprolactinomaの1症例を経験したので,その機序について若干の文献的考察を加えて報告する.
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