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研究
急性期出血性頭蓋内病変に対してのニトログリセリンによる企図的降圧療法と頭蓋内圧の変化
著者: 松山武12 青山信房1 塚本政志1
所属機関: 1奈良県立救命救急センター 2奈良県立三室病院脳神経外科
ページ範囲:P.1149 - P.1154
文献購入ページに移動出血性頭蓋内病変(高血圧性脳内出血及びくも膜下出血)では,出血初期には反応性の高血圧を示すことが多く,再出血により急激な神経学的症状の悪化をみる症例を少なからず経験する.そのため急性期には積極的な降圧療法が必要と思われる.現在,低血圧麻酔や術中高血圧などのコントロールに使われている降圧剤は,トリメタファン,ニトロプルシッド,プロスタグランジン,ニフェジピン,ニトログリセリンである.このうちニトログリセリンは,不安定狭心症や急性心不全等の心疾患の治療に用いられているが,脳外科領域においては頭蓋内圧を上昇させるため,急性期の出血性病変には,むしろ禁忌といわれている3-5,7,8).しかし実際,術中に降圧薬として使用した際,頭蓋内手術操作が頭蓋内圧亢進のため困難と感じられたこともない.ニトログリセリン投与後の頭蓋内圧の変化についての報告は,麻酔下もしくは,正常頭蓋内圧の症例においての報告がほとんどであり3,4,7,8),実際に頭蓋内圧亢進の症例において使用した報告は数少ない.今回,われわれは,急性期にニトログリセリンを用いて企図的降圧療法を行い,良好な結果を得たので文献的考察を加え報告する.
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