icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科20巻11号

1992年11月発行

文献概要

研究

高速磁気共鳴画像法(Turbo-FLASH)による脳循環の評価

著者: 宝金清博13 上山博康1 岩崎喜信1 阿部弘1 宮坂和男2 小岩光行3 柏葉武3

所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学放射線科 3柏葉脳神経外科病院

ページ範囲:P.1155 - P.1160

文献購入ページに移動
I.はじめに
 脳循環の測定法としてこれまでに多くの方法が考案され臨床応用されてきた.コントラスト分解能と空間分解能の点ではpositron emission tomography(PET)scanが最も優れているが,普及度があまりに低い.又,今日,最も普及したsingle photon emission computed tomography(SPECT)は,簡便であり,コントラスト分解能も満足すべきものがあるが,空間分解能の点では,問題が多い.さらに,いわゆる,dynamic CTを用いた脳循環測定法は,空間分解能の高い画像を得ることができるが,コントラスト分解能の点ではものたりなく,又,大量の造影剤のbolus injectionが必要であり,臨床応用の点では問題がある.
 磁気共鳴画像法(MRI)は,優れたコントラスト分解能と空間分解能を有し,また,flowの情報を画像信号のparameterとしていることから,脳循環測定法として利用できる可能性が以前より指摘されていた.遅いflowを観測するperfusion imageやdiffusion imageは,造影剤を用いることなく,高い空間分解能が得られるが,現在のところ,一部の方法を除いて,研究段階であり,臨床応用に関しては必ずしも楽観的ではない7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?