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研究
高血圧性脳内出血における短潜時体性感覚誘発電位の研究—N20成分の臨床的有用性について
著者: 福多真史12 亀山茂樹2 佐藤宏1 秋山克彦1 新保義勝1
所属機関: 1新潟県立小出病院神経外科 2神潟大学研究所脳神経外科
ページ範囲:P.1261 - P.1267
文献購入ページに移動被殻出血や視床出血では,隣接した内包や体性感覚路の中継核である視床後外側腹側核に対して種々の圧迫が加えられることにより麻輝や感覚障害を生ずる.近年,短潜時体性感覚誘発電位(short-latency somatosensoryevoked potential,以下SSEPとする)が,体性感覚路の構造的病変に対して特異的な局在性伝導障害を示すことから,脳脊髄機能の客観的指標として種々の分野で臨床応用されている5,8,9,11).
今回われわれは,比較的限局した被殻出血例および視床出血例に対象を限定し,それらに対してSSEPを施行した.SSEPのうち特殊視床一皮質路あるいは第1次感覚野がその起源と考えられている2,3,7,12,13)N20成分に注目し,その所見からretrospectiveにCT上の血腫局在,運動障害,感覚障害の程度との相関を検討し,SSEPを臨床応用する上での有用性について考察を加えた.
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