Neurological Surgery 脳神経外科20巻12号

1992年12月発行

研究

乳児第三脳室脈絡叢乳頭腫の1例

著者： 富永篤¹ 藤岡敬己² 門田秀二¹ 川本行彦² 魚住徹¹ 小西央郎³

所属機関： ¹広島大学脳神経外科 ²双三中央病院脳神経外科 ³双三中央病院小児科

ページ範囲：P.1273 - P.1276

I．はじめに
　脈絡叢乳頭腫は全脳腫瘍中0.4-0.5％の頻度を占める比較的稀な腫瘍である^13）．そのうち第三脳室に発生するものは約1割に過ぎず，ことに1歳未満の乳児期に発生したものはそのほとんどが側脳室発生であり第三脳室に発生するものは稀である．われわれは生後7カ月目に頭囲拡大にて発症した第三脳室脈絡叢乳頭腫の乳児例を経験したので若干の考察を加えてこれを報告する．