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研究
慢性硬膜下血腫の発生機序の一考察—膜との関係において
著者: 下地武義13 佐藤潔2 石井昌三2
所属機関: 1順天堂伊豆岡病院脳神経外科 2順天堂大学脳神経外科 3沖縄県立南部病院脳神経外科
ページ範囲:P.131 - P.137
文献購入ページに移動慢性硬膜下血腫(以後CSH)の発生機序に関し,1972年,Watanabeら19)の実験により,硬膜下腔に於けるclotの存在が重要であると証明したことにより,一応の解決を見たかに思われた.しかし,CT時代に入り,外傷後のsubdural effusionから,典型的なCSHへ発展する症例の報告が相次ぎ5,6,9,13,15,20),発生機序として硬膜下のclotが全例に必要かどうかに疑問が生じてきたわれわれも成人で外傷後のsubdural fluid collectionから血腫に発展する症例を多数経験し,CSHの発生機序に内膜が関与しているのではないかと考え,過去数年間,CSHの内膜に焦点を合わせて,手術時にその観察を続けて来た.発生機序の考察および,治療指針に対し重要と思われる一所見を得たので報告する.
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