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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科20巻3号

1992年03月発行

文献概要

研究

グリセロールとマンニトールの脱水作用の違い—示差走査熱量計による脳組織内水の分布の検討

著者: 河野輝昭1 平田勝俊1 堤圭介1 三宅仁志1 栗原正紀1 森和夫1

所属機関: 1長崎大学脳神経外科

ページ範囲:P.229 - P.234

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 I.はじめに 生体の微量組織水が示差走査熱量計の開発により自由水と結合水に分別され定量測定出来るようになり2,5,6,8),脳浮腫についての検討も成瀬ら9)によりなされ,MRIと対比した報告もされている.脳浮腫については細胞毒性浮腫と血管源性浮腫とに大別されているが,虚血性脳浮腫は両者の混在した形で発生し一元的でないことが知られている.従って,抗浮腫剤の使用に関しても,その選択はそれぞれの薬剤の特性を考慮して決められる必要性がある.一方,グリセロールとマンニトールは脳浮腫の治療薬として知られているが,両者の脱水作用の機序については未だ十分な説明がなされていない.
 著者らは,脱水剤としての両薬剤の作用機序の違いをラットの一側中大脳動脈虚血モデルを用い示差走査熱量計による脳組織中の水の動態から検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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