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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科20巻3号

1992年03月発行

文献概要

研究

小児の閉鎖性頭部外傷のMR所見—特に中心性shearing forceについて

著者: 本田英一郎1 徳永孝行1 大島勇紀1 倉富明彦1 重森稔1 小笠原哲三2 林隆士3

所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2聖マリア病院神経放射線科 3聖マリア病院脳神経外科

ページ範囲:P.235 - P.242

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I.はじめに
 頭部外傷における脳損傷の基盤となるshearing forceはHolboun10)によりacceleration, rotation movementにより生じることが証明された.shearing forceが強くなれば,その力は正中部に集中しやすくなり,diffuseaxonal injury(以下DAI)の病理所見からも正中,傍正中構造物の広範囲なaxonの断裂損傷として示されている.このshearing forceの程度や方向により様々な病態が生じる.その中にはcerebral concussion, diffusebrain swelling, DAIが招来すると考えられる.
 今回われわれは38例の小児の閉鎖性頭部外傷(Glasgow coma scale 4-15)のうちMR, T2Wで正中部および傍正中部に異常high intensityを呈した8例を経験した.これら小児の8例のMR,CT所見を比較検討し,各種の病態,特に小児の特殊性についても考按したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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