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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科20巻3号

1992年03月発行

文献概要

症例

左房粘液腫による脳塞栓の1剖検例

著者: 松岡士郎14 伊藤正治1 東雲俊昭1 吉利用和2 谷村晃3

所属機関: 1下関市立中央病院脳神経外科 2下関市立中央病院心臓血管外科 3下関市立中央病院病理 4新日鉄八幡病院脳神経外科

ページ範囲:P.255 - P.259

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 I.はじめに 心臓粘液腫は脳塞栓症の稀な原因として挙げられて。いるが心臓粘液腫そのものがきわめて稀なため,そのような症例を経験することは非常に少ない.近年の診断法の進歩と開心術の向上により,心臓粘液腫の外科的治療は容易になされるようになった.脳血管障害で発症し,超音波心診断法(以下UCG)によって心臓粘液腫と診断され救命された例も報告されているので,比較的若年成人における脳血管障害の鑑別診断上重要である.今回,われわれは不幸なことに救命はできなかったが,突然の意識障害と右片麻痺で発症した14歳女子の左房粘液腫による脳を含めた全身性塞栓症の1剖検例を経験したので文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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