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症例
後頭葉脳内出血で発症し,同一部位に脳動脈瘤とAngiographically Occult AVMを認めた1例
著者: 玉置正史1 大野喜久郎1 松島善治1 黒岩俊彦2
所属機関: 1東京医科歯科大学脳神経外科 2東京医科歯科大学神経病理
ページ範囲:P.267 - P.271
文献購入ページに移動脳動脈瘤と脳動静脈奇形の併存例は,脳動静脈奇形の6.4-16.7%に見られ6,7,14,15),それ程稀なものではない.その成因については,諸説あるなか,多くは血行動態によるものとされている6,15).今回われわれは,後頭葉脳内出血で発症し,血管撮影上中大脳動脈末梢部に動脈瘤を認め,さらに摘出標本の病理組織学的検索で動脈瘤に接して動静脈奇形の併存が認められた1小児例を経験した.本例の如く,動脈瘤と動静脈奇形が近接して存在し,しかも末梢に位置するものは稀であり,そのような症例では,その成因として,血行動態によるものよりも1血1管形成異常による可能性が高いと考えられたので,本例を呈示し文献的考察を加えて報告する。
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