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症例
下垂体腺腫の放射線治療14年後に発生したAnaplastic Astrocytomaの1例
著者: 田村勝1 三隅修三1 黒崎修平1 柴崎尚1 大江千広1
所属機関: 1群馬大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.493 - P.497
文献購入ページに移動頭部の放射線治療の後に,稀に二次的に脳腫瘍が発生する.髄膜腫,神経膠腫,肉腫の発生頻度がたかく5),近年増加傾向にある.Salvatiら11)によると神経膠腫はこれまでに76例報告されており,小児白血病に対し,予防的に全頭部照射を行った後の発生がもっとも多く,次いでトルコ鞍部腫瘍,髄芽腫,頭部白癬に対する照射療法後の順となっている.
われわれは下垂体腺腫術後の照射療法14年後に側頭葉にanaplastic astrocytomaが発生した1例を報告する.また下垂体腺腫に対する放射線療法後,側頭葉などに遅発性放射線障害を認めることがあり2),腫瘍発生との関連についても言及したい.
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