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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科20巻5号

1992年05月発行

文献概要

総説

神経心理テスト

著者: 武田克彦1

所属機関: 1東京大学神経内科

ページ範囲:P.533 - P.539

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I.はじめに
1.神経心理テストとは
 この総説では紙面の都合があり,すべての神経心理テストを網羅的に取り上げることはできない.いくつかのテストにしぼって説明することにする.今回取り上げることができなかった他の神経心理テストについて詳しくお知りになりたい方は,Lezak15)の本を参照していただければさいわいである.
 ここで取り上げたテストは,それぞれのテストの信頼性と妥当性が高いと考えられている.テストの信頼性とは,そのテストを時期や状況を変えて実施したときに,どの程度の誤差が生じるかということを示す指標と言える26).妥当性とは目標としている精神現象の一側面をそのテストの内容が適切に代表しているかということである.神経心理のテストの場合は,一般にテストが目標としている能力がきわめて明確であるわけではないので,神経心理テストの点数などに過大な評価を与えることはできないことをあらかじめのべておきたい.いままでの議論から,例えばただ一つのテストで器質的な障害と機能的な障害をわけることができないことや,あるテストさえすれば神経心理学的な症候群をすべて網羅的にチェックすることができないことがおわかりになるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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