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研究
脳原発悪性リンパ腫の治療成績—Nucleolar Organizer Regionとの関連
著者: 中洲敏1 中澤拓也1 斉藤晃1 松田昌之1 半田譲二1
所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.593 - P.598
文献購入ページに移動中枢神経原発の悪性リンパ腫は日本脳腫瘍統計によると脳腫瘍全体の1.1%を占める比較的稀な腫瘍であるが19),近年臓器移植等における免疫抑制剤の使用やAIDSの出現によるのみならず,免疫抑制のない患者でも増加していると言われている10).しかしその治療成績は必ずしも満足出来るものでなく,手術による紬織診断に引き続き放射線治療,あるいはそれに加えて化学療法が行われているにもかかわらず,5年以上の長期生存者は少ない17).悪性リンパ腫は生存:率に関係する様々な要因が報告され,予後の面から見て均一な腫瘍でないと孝えられているが8,27),様々な病理学的な分類が使われているため,中枢神経系においてはその組織学的な所見と予後との比較は十分に為されていない.今回われわれは,腫瘍の細胞の活動性に関連すると言われているnucleolarorganizer regions(NORs)をone-step silver stzlining法にて染色し11,2)核内の銀染色顆粒数(AgNOR値)と生存率との比較を行った
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