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研究
高齢者破裂脳動脈瘤の治療方針
著者: 安井敏裕1 矢倉久嗣1 小宮山雅樹1 夫由彦1 田村克彦1 永田安徳1 金安明1 西村周郎2
所属機関: 1馬場記念病院脳神経外科 2大阪市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.651 - P.656
文献購入ページに移動本邦に於ける脳血管障害による死亡は1951年以来死因として1位を占めていたが,1970年の175.8(人口10万対)をピークに徐々に減少し,1981年には2位,1985年には悪性新生物,心疾患に続き3位となった.しかし,これは主に脳梗塞,脳出血による死亡の減少によるものであって,脳動脈瘤の破裂による死亡は決して減少しておらずむしろ増加する傾向にあり,今後人口の高齢化とともに高齢者の破裂脳動脈瘤患者を診る機会が増えると思われる13).しかし,実際に高齢者の症例を目の前にしても,治療方針,特に,手術時期に関して苦慮することが多いのが現実である.高齢者を何歳以上にするかは,時代によって異なるが,ここでは70歳以上を高齢者と定義し,自験例の検討から,高齢者破裂脳動脈瘤症例の治療方針を検討する.
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