文献詳細
文献概要
研究
前交通動脈瘤症例に対するInterhemispheric Approachと Pterional Approachの治療成績の比較検討
著者: 玉谷真一12 外山孚1 川口正1 山本潔1 原直之1
所属機関: 1長岡赤十字病院脳神経外科 2山形県立中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.657 - P.661
文献購入ページに移動前交通動脈瘤は,解剖学的に①正中線上で深部にある点,②親動脈として左右の前大脳動脈A1より血流を受ける点,③動脈瘤周囲に主要な血管(左右の前大脳動脈A1,A2,Heubner動脈,穿通枝動脈など)がある点,④前交通動脈自体に奇形を含めvariationが多い点,などからその直達手術は脳動脈瘤手術の中でも難易度の高いものの一つである7,8).
前交通動脈瘤に対する到達法は,昔からいくつかの方法が先人達によって行われてきたが,現在一般的に行われている手術法は,pterional approach9)interhemi—spheric approach6)の二つの方法である.両者とも利点,欠点がありどちらの方法が優れているかは一概には決めがたい問題である,成書にはそれぞれの利点欠点が個々に書かれているが,同一施設で両手術法の手術成績を比較検討したrelxortはわれわれが渉猟しえた範囲では見あたらなかった.そこで,われわれは過去5年問に当施設で経験した前交通動脈瘤症例に対するこれら二つの方法の手術成績を比較検討してみたので報告する.
掲載誌情報