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研究
自動可変抵抗弁脳室腹腔シャントシステムの使用経験—特に脳萎縮と鑑別が困難な脳室拡大例における有用性
著者: 黒川泰任1 上出廷治1 本望修1 太田潔1 本田修1
所属機関: 1市立釧路総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.669 - P.675
文献購入ページに移動クモ膜下出血後の比較的急性期にみられる典型的な正常圧水頭症では,シャント手術の適応に苦慮することは少ない,しかし,脳血管障害発作後,比較的長期間経過した後徐々に痴呆症状が進行し,computed tomogra—phy(CT)上脳室拡大はあるものの脳溝の描出も良好な症例では,脳萎縮との鑑別が困難である.これらの例に種々の侵襲的検査を行っても,手術適応を決定することは困難で,またシャント手術を行っても,術後硬膜下水腫・血腫の発生を見ることが少なくなかった.
最近われわれは,急性期の水頭症だけでなくこのような脳萎縮と鑑別の難しい症例に対し,より生理的な髄液排泄が期待できる内部自動可変抵抗弁を用いた脳室腹腔シャント術を行って良好な結果を得ているので報告する.
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