文献詳細
文献概要
症例
Delayed Traumatic Millard-Gubler Syndromeを呈した1例
著者: 松山武1 増田彰夫1
所属機関: 1奈良県立三室病院脳神経外料
ページ範囲:P.697 - P.699
文献購入ページに移動I.はじめに
頭部外傷のなかで一次脳幹部損傷の一部である外傷性交代性麻痺としては,Weber syndrome, MLF syn—dromeがよく報告されている.これに反して外傷性Millard-Gubler syndromeの報告は本邦では2例のみである8,11).これはpontomedullary junctionはvulnerabil—ityが非常に高くかつvital structureを含んでいるため,多くの例では死亡または植物状態を呈するからである.
今回後頸部打撲により一過性に四肢麻痺を呈し2日後に右末梢性顔面神経麻痺,右外転神経麻痺と左片麻痺を呈した症例を経験したので文献的考察を加えてそのメカニズムについて検討する.
頭部外傷のなかで一次脳幹部損傷の一部である外傷性交代性麻痺としては,Weber syndrome, MLF syn—dromeがよく報告されている.これに反して外傷性Millard-Gubler syndromeの報告は本邦では2例のみである8,11).これはpontomedullary junctionはvulnerabil—ityが非常に高くかつvital structureを含んでいるため,多くの例では死亡または植物状態を呈するからである.
今回後頸部打撲により一過性に四肢麻痺を呈し2日後に右末梢性顔面神経麻痺,右外転神経麻痺と左片麻痺を呈した症例を経験したので文献的考察を加えてそのメカニズムについて検討する.
掲載誌情報