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研究
脳神経外科領域におけるDICの診断と治療—新しいDICスコアの提唱
著者: 亀山茂樹1 藤井幸彦1 小池哲雄1 田中隆一1 高橋芳右2
所属機関: 1新潟大学脳研究所脳神経外科 2新潟大学医学部第一内科
ページ範囲:P.749 - P.755
文献購入ページに移動種々の脳神経外科疾患に合併して,播種性血管内凝固症候群(diSSeminated intravascular coagulation,以下DIC)を生じ,重篤な転帰をとることのあることが知られている.頭部外傷5,7,9,13,20,21)やクモ膜下出血1,6,19)に合併するDICの報告が多い.重症例に併発しやすく,感染症等の合併がその引き金になることがある.したがって,脳神経外科疾患患者の治療に際し,DICの合併に注意して,その早期診断と早期治療を心がけることが大切である.近年,DICの治療薬として,蛋白分解酵素阻害剤メシル酸ガベキサート(以下FOY)の有用性を検討した報告が脳神経外科領域でも散見される10,16,23).
われわれは,DICの早期診断・早期治療の観点から,DICおよびDIC準備状態に対して,新潟大学脳神経外科関連15施設でFOYを投与し,その有効性を検討するとともに,脳神経外科疾患の重症度を最もよく反映すると思われる意識レベルを加味した,新しいDICスコアを作成し,その妥当性につき検討したので報告する.
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