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研究
円蓋部開頭—いかにして正確に病変部をlocalizeするか
著者: 池田公1 伊藤薫1 松澤和人1 田中佳1 宮崎喜寛1 山本勇夫1 佐藤修1
所属機関: 1東海大学脳神経外科
ページ範囲:P.875 - P.881
文献購入ページに移動開頭術を計画する場合,まず病変部への最適なac—cessを考え,これにより開頭部位が決定される.前頭側頭開頭等頻度が高くまた頭蓋底に近い部の開頭は,眼窩上縁,頬骨上縁,外耳口等,landmarkが多く比較的容易に正確な開頭が行いうる.円蓋部から接近する病変は,深部の神経膠腫等の病変を除くと髄膜種,転移性脳腫瘍,皮質下血腫等,脳表もしくは脳表に近い部に存在することが多い.脳血管写で所見が乏しい場合は時に病変の正確なlocalizationが難しく,必要充分な開頭を行うのに困難な場合もみられる.頭頂部付近の病変において開頭してみたところ予想した位置からずれていることは誰しも経験することである.Coronal sliceのCT,MRIを行うと,axial scanでは得られなかった切線方向となる頭頂部付近でのsliceより,頭蓋骨とlesionの関係が明らかとなるが,前後方向の同定はそれでも決定し難く,特に緊急例では,locahzationのための時間的余裕が少ない.今回,円蓋部特に頭頂部の病変に主眼を置き,“いかにして必要充分な正確な開頭を行うか”について検討を加えた.
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