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研究
脳挫傷患者の社会復帰に関する検討
著者: 国塩勝三1 篠原千恵1 徳永浩司1 松久卓1 守山英二1 加見谷将人1 則兼博1 松本祐蔵1 田中良子2
所属機関: 1香川県立中央病院脳神経外科 2高松短期大学
ページ範囲:P.959 - P.963
文献購入ページに移動最近,MRI,SPECT,PETなどの画像診断の進歩とともに頭部外傷の病態が解明されつつあるものの,急性期におけるこれらの機種の応用には種々の制限,問題がある.この点,CTスキャンの果たす役割は,今日においても多大なものがあり,特に,脳実質損傷の病態把握には不呵欠な検査であることは言及するまでもない.頭部外傷の予後に影響を及ぼすものとして,脳実質の損傷程度,範囲および部位,すなわち,CT所見,臨床的重症度,年齢などが重要であると考えられている14,20).方,いわゆる軽度の頭部外傷の場合でも,種々の後遺症のために社会復帰ができない症例があることはよく知られている4,11).今回われわれは,脳挫傷患者において予後はGlasgow outcome scale(GOS)でgood recovery(GR)またはmoderate disability(MD)であったものの,長期的には社会復帰にまではいたっていない要因としてどのようなものが関連するかを,アンケートによる追跡調査およびWechsler Adult Intelligence Scale(WAIS)知能検査19)などの結果より検討したので報告する.
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