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研究
急性脊髄損傷に対する実験的研究—病理学的変化の時間的推移について
著者: 川田和弘1 森本哲也1 山田與徳1 大橋孝男1 辻本正三郎1 星田徹1 角田茂1 榊寿右1
所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.45 - P.51
文献購入ページに移動脊髄損傷に伴う脊髄病態に関する研究は古くから行われているが,外傷後の二次的脊髄変化に関してはなお十分に解明されていない14,23,27).脊髄の二次的変化の原因について外傷により生じる虚血が重要視されているが4),その虚血の背景として傷害された部位から生じる出血や脊髄浮腫の上下への伸展が大きな役割を果たすものと思われるが,特に許後を考えると,頭側への病理学的変化の伸展に興味が持たれる.また最近,受傷直後から受傷部の毛細血管に出現してくる白血球が微小循環を障害したり,さらにはfree radicalの発生で浮腫を増強するという報告もある10,15,22).われわれは今回,ラットを用いてRivlinら24)のepidural clip methodにて脊髄損傷を作り,経時的な病理学的変化を調べ,特に白血球の浸潤という観点からその変化を観察した,その結果,興味ある知見を得たので報告し,脊髄外傷が二次的に脊髄循環に及ぼす影響について考察する.
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